Dr.Cinema

博士の愛した映画

ウルヴァリン:SAMURAI

ストーリー

ウルヴァリン、日本へ。 傷心のウルヴァリンの日本異文化交流旅。

物語は、「X-MEN3 ファイナルデシジョン」後、最愛の人ジーン・グレイを亡くして傷心のウルヴァリンからはじまる。

従って、「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」よりも、「X-MEN3」を見てからのほうがより楽しめる。

海外から見た日本

東京タワーに、増上寺でのお葬式、新幹線、パチンコ、ラブホテル。 刀に甲冑、ヤクザに、忍者に、ロボット!

昔の日本を描いた映画ほどの違和感は感じないものの、外国人からみたこれぞ日本という文化をこれでもかと詰め込んだ印象。

日本人にとって、これが日本かといわれると、ノーと言いたくなる。

そんな異国文化に戸惑いながら逃避行するウルヴァリンは、いままでのX-MENシリーズよりも少しコミカル。

野獣から人間へ

そして、今回新鮮なのは、回復能力を失ってしまうウルヴァリン

なかなか直らない傷に苦しみながらも、すさんだ野獣からどこか人間らしさを取り戻す姿が印象的。

2人のヒロイン

そんな肉体的にも精神的にも弱ったウルヴァリンをケアするのが、日本人のヒロイン2人。

TAO演じるマリコは、どちらかというと古来の日本人的な奥ゆかしさと凜とした雰囲気を持った純日本風な佇まい。

傷心のウルヴァリンを、日本人の心でお・も・て・な・し

一方、福島リラ演じるユキオは、クールジャパン的でポップなキャラ。

ユキオは、予知の能力をもっているが、その能力よりも、風貌とアクションのほうに目がいく。

vsウルヴァリン

真田広之演じるシンゲンは、寸止めという緊張感がもたらす真剣バトルがみもの。

身にまとう甲冑と真田の熱演で存在感はあるものの、ミュータントではないので、ウルヴァリンと渡りあうのは少し役不足ぎみ。

そして、脇を固めるキャラがどうも地味。

唯一ミュータントらしいヴァイパーも、本シリーズのミュータントのような目立った印象もなかったのが残念。

またハラダ役がウィル・ユン・リーのため、どうしても片言の日本語に違和感を感じてしまう。

そして、ラストへの展開は、日本的である意味度肝を抜かれるが、前作のラスボスのウェポンXIよりもさらに安っぽい展開。

本当の見所

本作の見所は、やはり本編終了後。

今後のX-MENシリーズの新たな展開を期待させるあのお二方の登場。

この2人の登場に、どこかほっとするとともに、待ってましたとばかりに、本シリーズが見たくなる。

次作への布石として、外国から見た日本の中でのウルヴァリンという、少し気分転換のできる箸休め的な作品でした。 [cft format=0][embedvideo id="IuybbMop6Wg" website="youtube"]