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博士の愛した映画

ラスト、コーション

ラスト、コーション LUST, CAUTION 色・戒 上映時間 158分 製作国 中国/アメリカ 公開情報 ワイズポリシー 初公開年月 2008/02/02 ジャンル ロマンス/サスペンス/戦争 HP 監督:アン・リー 出演:トニー・レオン     タン・ウェイ     ワン・リーホン

総合:★★★★ 内容:★★★☆ 俳優:★★★★ 映像:★★★★☆ 感想:切ない・悲しい・衝撃的 セリフや言葉では語られない真実を映像が痛烈に語る作品。 上映時間が158分と長いけれど、その中にある言葉の間や映像にはどれも意味があるかのように繊細。 学生の軽い気持ちで巻き込まれてしまう前半、そして意を決して臨む後半。 その間の数年の歳月がより2人の心情、そして物語にも深みを与えてくれる。 話題のベッドシーンは、まさしく魂と魂のぶつかり合いともいうべき激しさ。 お互いの身体で会話しているかのような鮮烈な映像。 映画の中ではセリフとして語られない2人の愛や感情の変化が、すべてここに集約され表現されている。 まさしくこの物語の重要な要素といっても過言ではない。 タン・ウェイは、チャイナドレス姿が美しいけれど、学生時代の化粧気のない素朴な姿から、スパイを演じる女優として、そして女として、様々な面をまさしく全力投球でみせてくれる。 そして、女性として決断を下さなければならない悩める姿が印象的。 柔らかい印象のあるトニー・レオンだけれど、今回は心を閉ざした冷徹無非な役柄。 けれど、後半に行くに従い閉ざした心をかいま見せる繊細な演技。 そしてラストでの人間味のある演技が主人公イーの深い心情を物語ってくれます。 見終わった後でも、様々な映像がじわじわと語りかけてくる鮮烈な作品でした。