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博士の愛した映画

アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生

アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生 ANNIE LEIBOVITZ: LIFE THROUGH A LENS 上映時間 83分         製作国 アメリカ        公開情報 ギャガ・コミュニケーションズ          初公開年月 2008/02/16 ジャンル ドキュメンタリー HP 監督:バーバラ・リーボヴィッツ 出演:アニー・リーボヴィッツ     ヨーコ・オノ

総合:★★★☆ 内容:★★☆ 俳優:★★★★ 映像:★★★★ 感想:感覚的・独創的・憧れる 写真力は人間力。 映画というよりは、むしろどうやったら彼女のような写真が撮れるのだろうという感覚で見に行ってきました。 映画の中で彼女の仕事風景が流れるけれど、その場の映像と彼女がカメラでおさめた写真のできあがりの違いにまず驚かされる。 そして、彼女のロック界で撮った初期の作品は、音楽バックに流れるだけでその当時の人達のありのままの臨場感が生々しく伝わってくる。 なぜにこんなありのままの写真がとれるのか? 撮影された有名人たちの話を聞くと、共通するのが彼女の存在が気にならないところ。 彼女は、一緒に長時間同じように行動し、とけ込み、空気のような存在になるらしい。 70年代のローリングストーンズと共に過ごしたらヤク漬けになるのは目にみえているのに、 反対を押し切って1人で飛び込んでいくところは男顔負け。 映画の中で彼女を語る人達も、オノヨーコ、キース・リチャーズミック・ジャガー、今話題のヒラリーなどなどそうそうたる顔ぶれ。 それ以外にも映画の中で流れる写真は、ハリウッドスターはもとより、ビル・ゲイツR2D2までまさしくアメリカ! ロック界で自分のスタイルやポジションを確立させつつも、それにとどまらず別の道へ進み続けるところがさらにすごい。 面白いと思ったり、やりたいと思ったりすることで、新たなキャリアやコンセプト、小道具にも目を向け、自分を高めていけるところは素敵でした。 もともとの素質はもちろんあるのだろうけれど、天才というわけではなく、大物や上司やパートナーや恋人などとの出会い、そこからの学び、そして彼女のたゆまぬ努力によって、成長してきたのだということが伝わってきました。 個人的には、失敗をして叱られた時のエピソードや恋人を亡くした時のエピソードが 一線で活躍しているプロとしての姿勢がみえた感じでとても印象的でした。 ただ欲を言えば、彼女の長期に渡る撮影準備の様子や、撮影する人たちに密着してとけ込む姿もドキュメンタリーとしてみせて欲しかった。 たとえ写真に興味がなくても、アニー・リーボヴィッツの仕事に対する取り組みは、女性だけでなく男性にも参考になると思います。 彼女の写真と超有名人の語りを楽しみながら、写真や仕事に対する姿勢を学べる作品です。