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博士の愛した映画

L change the WorLd

L change the WorLd 上映時間 128分 製作国 日本 公開情報 ワーナー 初公開年月 2008/02/09 ジャンル サスペンス/アクション/ミステリー HP 監督:中田秀夫 出演:松山ケンイチ     工藤夕貴     福田麻由子

総合:★☆ 内容:☆ 俳優:★★☆ 映像:★★ 感想:不思議・心温まる・怖い 松山ケンイチが真になりきるLは、素晴らしい。 デスノートでも時折みせたLの人間的な面が主流に描かれるので、キャラとのギャップ、意外なシーンを観られて楽しい。 でも、それだけの映画。 静のLと対照的に激しく描きたかったのかもしれないけど、それ以外の役者陣はどうもハイテンション過ぎて叫んでばかりで安っぽい。 息抜きに南原清隆が笑いを提供しようとするも、空回りで演技臭すぎでかなり浮いてました。 Lが守る二階堂真希役の福田麻由子が、松山ケンイチに負けないくらいよかったのが救い。 ストーリーは、初めから終わりまで簡単に展開が予想でき、あってないようなものでとても退屈。 「デスノート」にあった緻密な頭脳戦とは、天と地との差。 原作から離れると、やっぱり一気にレベルが落ちてしまいました。 中途半端に二アの名前は出てきたけれど。 前作「デスノート」の裏側もちょこっっと描かれているけれど、ワタリの死やLが自らの名前をデスノートに書く際も案外あっさり通り過ぎ、なんだかこの映画の前提条件を消化してるだけのよう。 Lのキャラかもしれないけれど、その時のLの心が見えてこない。 身近な人の死、迫り来る自分の死を感じて、生に対して考えるテーマは、面白いと思う。 でも中田監督は、ホラー映画が得意分野だけあって、ウィルスの恐怖の描き方にはこだわり があるように感じたけれど、Lの内面や人間性の描き方は今ひとつ。 「デスノート」前後編ともにすごく楽しめただけに、余計なもの作ってしまったなぁという印象。 天才は、対峙する天才がいてこそ輝けるのかもしれません。 松山ケンイチのLには、もったいない作品でした。