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博士の愛した映画

最高の人生の見つけ方

最高の人生の見つけ方 THE BUCKET LIST 上映時間 97分 製作国 アメリカ 公開情報 ワーナー 初公開年月 2008/05/10 ジャンル ドラマ/アドベンチャー/コメディ HP 監督:ロブ・ライナー 出演:ジャック・ニコルソン モーガン・フリーマン ショーン・ヘイズ

総合:★★★ 内容:★★★☆ 俳優:★★★ 映像:★★☆ 感想:楽しい・元気になる・ハッピー  主演二人が実に活き活きと楽しそうな作品.  物語は,病室で出会ったエドワードとカーターが,ともに末期ガンで余命半年と宣告され,死ぬ前にやり残したことを実現しようと旅にでかける.  ジャック・ニコルソン演じるエドワード. 金持ちだが,わがままで見舞う客は秘書1人.そんなくせのある役柄は,彼のハマリ役.秘書トマスとの皮肉の言い合いが絶妙で思わず笑ってしまう.  一方,モーガン・フリーマン演じるカーター. 家族を愛し,実直な自動車整備士.冒頭から彼の落ち着いた声でのナレーションがしみる.  全く違うタイプだからこそ,二人の出会いが残りの人生を輝かせたのだろう.  旅に出られない理由を述べるカーターに対して,「口を動かす暇があるなら体を動かせ」というエドワードの言葉が印象的.今の地位や財産は,なりふり構わず動き続けてきた結果なのかもしれない.  性格も違えば,やりたいことを書いた「棺桶リスト」も違いがあって面白い. 「一生分笑う」「知らない人に優しくする」と,まっとうで精神面を望むカーターに対し,「ライオン狩りをする」「タトゥーを入れる」など突飛で物理面を望むエドワード.  「死ぬまでにしたい10のこと」の若い主人公が子供へのメッセージが多かったのに比べ,この歳になると実に素直で自分本意である. 旅に出た二人は本当に楽しそうで,生きる喜びを実感させてくれる.  カーターという友人ができ,旅を通して変化するエドワードの心境は,最高の人生に必要なものは何かを感じさせてくれる.やはり人間,最終的には「象の背中」のように,家族や友人などの人間関係に行き着くのかもしれない.  とかく死を扱った作品というのはシリアスな映画が多い.この作品のよい点は,明るいコメディ要素.主人公達が亡くなるのに,これほど見終わって爽快な映画は他にはない.  個人的にリストを以前から持っているけれど,エドワードの言葉通り,体を動かそうと思わせてくれる映画でした.