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博士の愛した映画

ペネロピ

ペネロピ PENELOPE 上映時間 101分 製作国 イギリス/アメリカ 公開情報 東京テアトルデスペラード 初公開年月 2008/03/01 ジャンル コメディ/ロマンス/ファンタジー HP 監督:マーク・パランスキー 出演:クリスティナ・リッチ     ジェームズ・マカヴォイ     キャサリン・オハラ

総合:★★★ 内容:★★★ 俳優:★★☆ 映像:★★★★ 感想:元気になる・楽しい・ハッピー 映画開始早々から、テンポ良く流れる独特の美しい映像にまず心を奪われる。 考え練られた色づかいのセットや小物や衣装。 そして、それを美しくとらえるカメラワークやCG。 そういった素敵な映像達が、ブタ鼻のペネロピの世界を、まるでおとぎ話の世界のように、 素敵な世界観でみせてくれる。 クリスティナ・リッチは、昔から歳をとった感じがなくて変わらないよねぇ。 ブタ鼻をつけていても意外と自然な印象で、見慣れてくると、どこか愛着がわいてくる。 なので、個人的には劇中で男達がそこまで逃げ惑うほどの怖さでもないような気がしてならなかったです。 お相手役のジェームズ・マカヴォイは、だらしなくてちょっとやさぐれた感じが逆に素敵。 ちょっとじれったく感じられるけれど、女性陣ならそんな彼に母性をくすぐられるのでは? リース・ウィザースプーンも友達役で出演していますが、製作に力をいれているのか?そこまで出過ぎた感じではなく、ペネロピをうまくサポートしていました。 個人的に一番のお気に入りなのは、ペネロピを狙う新聞記者役のピーター・ディンクレイジ。 コミカルな表情と演技で笑わせてくれたり、時には渋かったりでとても魅力的でした。 ストーリーは、ことの始まりや突っ込みどころをテンポ良く見事にみせつつ、最後への展開も王道をあえて外したちょっとしたひねりが好印象。 ただいきなり見せ場が訪れたので、個人的にはもうちょっとペネロピの心情を描いて劇的に盛り上げてほしかったかな。 自分のことや外見ばかりをみようとする人達も、悪役なんだけどどこかいそうな人たちで、意外にリアル。 「ありのままの自分を愛して自ら前に踏みだそう!」というメッセージ性は、製作のリース・ウィザースプーンらしく「キューティ・ブロンド」にも通じるところが感じられる。 「呪いは自分の心がかける」 魔女の言葉なのか?何かを悟ったような子供の言葉が印象的。 コンプレックスや過去の苦い経験が呪縛となって、なかなか前に踏み出せないことってあるよね。 けれど、そこから助けだされるのをただ待つだけでなく、自分から殻を破って出て行く勇気を与えてくれる作品でした。