ウォーム・ボディーズ
愛は、ゾンビを変えられるのか?
ゾンビ目線
主人公は、ゾンビになってしまったR。
ゾンビ目線の映画といえば、「コリン LOVE OF THE DEAD」を思い出す。
「コリン」は、とゾンビになってしまった悲しさや寂しさを感じさせるドキュメンタリー風の映画だったが、本作は、よりコメディかつよりロマンティック。
ナレーションもRで、ゾンビ目線でゾンビの日常生活の解説と一言コメントで描かれるところが新鮮かつ面白い。
そして、どこか過去を振り返っているようであったことも、後から改めて感じさせる。
愛着の持てるゾンビ
そして、人間の脳を食べると、その人間の記憶を感じられるという設定が斬新。
彼らの姿を見ていると、ゾンビも、寂しさを感じ、人間だったころを懐かしみたいという悲哀が伝わってくる。
単純に人間を本能的に求めて襲う今までのゾンビとは、一線を画している。
本作でゾンビが愛着を持てる存在でいられるのは、より凶悪なガイコツの存在。
人間からみれば、どちらも敵なのだが、映画上では中間的な存在というのもユニーク。
Rとジュリー
「恋するゾンビ」 ありそうでない、全く相反する2つの組み合わせ。
最も印象的なのがジュリーとの出会い、そして恋に落ちるシーン。
初対面の彼女に嫌われないように、ゾンビ的な印象をぬぐい去ろうとするRのぎこちない姿が笑える。 そして、Rの彼女を想う、その一生懸命さににキュンとする。
バルコニーに立つジュリー。 そして、バルコニー下まで忍び込んできたR。
Rとジュリー。 それは、まさしく人間とゾンビの世界に分かたれた「ロミオとジュリエット」。
禁断の恋
人間とゾンビとの恋は、ある意味人間とヴァンパイアの恋である「トワイライト」にも通じる。
ジュリー演じるテリーサ・パーマーは、なんとなくクリステン・スチュアートにも似ている気がする。
そして、Rを演じるのは、ロバート・パティンソンと同じく英国俳優ニコラス・ホルト。
しかし、Rはゾンビから守ってくれるものの、ヴァンパイアとは違いゾンビなので、基本機能は人間であるジュリーのほうが優れている点が、純愛ではなくコメディっぽい。
感染する愛
後半の展開は、最近では「アップサイドダウン 重力の恋人」にも似た展開。
しかし、本作は2人のラブストーリーにとどまるだけではなく、愛に感染していく世界の変貌までも描かれていて、最後まで楽しめる。
今までのゾンビ映画の中でも、最も素敵な結末の作品でした。
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