Dr.Cinema

博士の愛した映画

アフター・アース

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「危険は存在する。しかし,恐怖は自分次第。」

本当の親子共演による息子の恐怖の克服と子を見守る親の気持ちが見所の作品。

「恐怖」を扱うのになれたM・ナイトシャマラン監督。 しかし、「シックス・センス」などの初期作品にあるような心理的な恐怖も、衝撃的な展開もなく残念。 これだけ不作続きだと、ある意味で恐怖かも。

設定的には、人類が移住したあとの地球が舞台、登場人物が少ない、大自然が舞台など最近公開された「オブリビオン」との共通点が多い。 しかし、どれもオブリビオンのほうが見応えがあった。 人間を抹殺するために進化した地球の動物や異星のクリーチャーもインパクトに欠ける。

偉大な父をもつ重圧、姉の死というトラウマや恐怖から必死にもがきだそうとするキタイ役のジェイデンは、まだまだ初々しくて好感がもてる。

人間、動物含めて厳しい世界で生き抜いていくために、子供を見守り導いていく際に、思うように従ってくれないジレンマや不安、意外な成長ぶりを感じながら、親になったつもりで息子キタイを応援したくなる。

しかし、肝心の恐怖を克服したときの演出が、いまいち見応えに欠けたのが残念。

原案がウィル・スミスで、本当の親子共演だからこそ、現実世界とオーバーラップする。 ハリウッドで息子が生き残っていくために、最大限バックアップしようとするウィル・スミスと、偉大な父をもったジェイデン・スミスに見えて面白い。

子を持つ親なら共感できるかもしれないけれど、やはり親子共演、ジェイデン・スミスの定期的な成長ぶりの記録として、ウィル・スミスが一番満足する映画でした。 [cft format=0]