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博士の愛した映画

明日への遺言

明日への遺言 上映時間 110分 製作国 日本 公開情報 アスミック・エース 初公開年月 2008/03/01 ジャンル ドラマ/戦争 HP 監督:小泉堯史 出演:藤田まこと     富司純子     西村雅彦     蒼井優

おすすめ度:★★ 内容:★☆ 俳優:★★★☆ 映像:★ 感想:知的・悲しい 岡田資中将の信念は伝わってくるけれど…。 いきなり裁判から始められても、争点となっている戦中や戦後の岡田資中将、過去の裁判などが描かれていないため、守ろうとする部下達への想いや家族への想い、そして戦犯への感情などが想像できず、今ひとつ感情移入できませんでした。 序盤から中盤にかけて裁判の争点となるやりとりの展開が遅くてみていて正直退屈。 アメリカ側とのやりとりも淡々と進むので、好意的な関係もどうも表面的に見えてしまう。 そんな中で、藤田まことの言葉を選ぶような演技は、静かだけれども重みを持っていました。 死をおそれず堂々とした態度、そして「俺に任せておけ。部下を守ってやるぞ」という頼りがいのような存在で周囲を凌駕していました。 そして中盤からは、岡田資中将の一本筋の通った強い信念や想いが伝わってきました。 富司純子のナレーションは、法廷劇の合間にほっと一息させられる感じでしたが、映画の序盤や終盤の竹野内豊のナレーションは、どうも画面から浮いていていただけませんでした。 最終的にほぼ全般に渡っての法廷劇なので、正直なところ本のまま映像にしなくてもいいんじゃないかなぁと思ってしまいました。 岡田資中将の「法戦」を描いた作品なのはわかるけれど、法廷の記録や手紙に残っていない岡田資中将こそ描いてほしかったです。