斬新な演出でマリメッコ創業者の成功と孤独を描く「ファブリックの女王」
Marimekko(マリメッコ)の創業者アルミ・ラティアの物語。
予告では、よくある彼女の人生を追った物語のように見えるが、演出方法がかなり凝ったもので驚かされた。
まず全編舞台劇で話が進む。
そして、さらに驚いたのが主演女優の考察!
突然アルミ・ラティアを演じる女優が彼女自身となり、その時のアルミ・ラティアについての考察がはじまるのだ。
すでに彼女のことをを知っている人には、どういう女性だったか、起業家だったか、母親だったかなどがより深く知れるかもしれない。
ただ、アルミ・ラティアを初めて知る人間としては、凝った演出よりも彼女の人生を描いてみせてほしかった気もする。
この時代に提案したライフスタイルが受け入れられて成功したサクセスストーリーよりも、その陰でハードワークによって犠牲にしてきた人間関係や苦悩のほうを印象的に描くことで深い内容となっている。
時代を切り開いて生きてきた女性の力強さと、孤独感が感じられる映画でした。